臓器移植プロセスにおける心理・社会的援助に関する研究 : レシピエント・透析患者・看護管理者の調査から
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
われわれは文部省科学研究助成(基盤研究(B)(2):08457625)を得て、1996年以来『臓器移植プロセスにおける心理・社会的援助に関する研究』に取り組み、昨年度に引き続いて、移植レシピエント、病院看護管理者、透析患者それぞれを対象にした「臓器移植に関するアンケート調査」を実施した。移植レシピエントに対する調査では、移植に関する事前の説明はもっぱら医師に委ねられていて看護婦の関与が乏しいこと、移植に至るまでの各種の不安や心配事が大きく支援者が乏しいことが明らかにされたが、看護管理者に対する調査では、管理者は移植選定時の看護婦の関与が重要であり、レシピエントの精神的ケアの担い手として看護婦の役割が大きいと認識しているという傾向が見られた。このように看護管理者と実状とのズレが大きいことは、解決すべき今後の重要な課題の一つである。また、透析患者に対する調査では、移植を決意する患者、移植はしない患者、移植するかどうか決められない患者の3群がほぼ均等に存在すること、移植に関する情報が明確には与えられていないこと、透析の現状に安定感を持ち移植の成功に不安の大きい患者は移植を望まず、移植に希望を託し普通の生活に戻って自信を回復したいと願っている患者は移植を考えることが明確になった。決意できない患者は上記2群の中間的特徴を有するが、どちらかといえば移植をしない群に近いことも判明した。
- 東海大学の論文
著者
-
米山 奈奈子
秋田大学
-
瀧川 薫
東海大学健康科学部看護学科
-
末安 民生
東海大学健康科学部
-
米山 奈奈子
中野北保健所
-
長谷川 浩
東海大学健康科学部看護学科
-
米山 奈奈子
東海大学健康科学部看護学科
-
米山 奈奈子
秋田大学 医学部保健学科
-
米山 奈奈子
秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻臨床看護学講座精神看護学分野
-
末安 民生
東海大学健康科学部看護学科
関連論文
- 書見台 メアリー・ベス・ウィリアムズ、ソイリ・ポイユラ著 グループ・ウィズネス訳『心とからだと魂の癒し トラウマから恢復するためのPTSDワークブック--大切な存在であるあなたへ』
- 5. 被害者支援のための法看護学教育プログラムの検討(口述発表I-1,保健・医療・福祉サービスの充実のために,2007年度青森県保健医療福祉研究発表会抄録)
- 暴力や虐待の被害を繰り返さないために必要な 日本における法看護学教育の検討
- DV被害者の回復過程における心象環境の変化と看護課題
- 暴力被害者の二次受傷と回復に向けての支援
- 181 性暴力被害者への急性期看護ケアに関するDVD教材の評価(Group29 虐待・ドメスティックバイオレンス1,一般演題ポスター,第48回日本母性衛生学会総会)
- 満足度・事前期待度によるサービス評価と施設選択要因に関する研究 : 精神神経科外来の初診患者を対象に
- 精神障害者の地域生活支援の在り方に関する検討会最終まとめ
- 地域における自殺対策の新展開--自殺は予防できる(10)韓国の自殺対策
- 12.中野北保健所における小規模企業勤労者健診(一般演題,中小企業衛生問題研究会第21回全国集会)
- 看護医療教育のめざすもの (看護医療に期待する)
- 精神--事実の影にある葛藤への視線 (特集 「医学」の進歩と「看護」の変化)
- 座談会を終えて 精神科における行動制限と看護 (総特集 「抑制廃止」をめぐる神話と真実) -- (「抑制廃止」をめぐる諸問題)
- 臓器移植プロセスにおける心理・社会的援助に関する研究 : レシピエント・透析患者・看護管理者の調査から
- 臓器移植プロセスにおける心理・社会的援助に関する研究 : 透析と移植に関する看護職の意識調査
- 阪神・淡路大震災ボランティア体験報告 : 震災後6ヵ月を経過した東灘保健所での活動
- 性暴力被害者支援看護師(Sexual Assault Nurse Examiner)養成プログラムの評価
- P-006 SANE養成講座の実践と評価 : 5期目を終えて(Group37 虐待・ドメスティックバイオレンス,ポスターセッション)
- 第46回総会(島根) : シンポジウム質疑討論
- 看護に生きる家族ケアの体験
- 臓器移植プロセスにおける心理・社会的援助に関する研究 : 概観と展望
- TEを巡る地域ネットワーク作り
- 民生・児童委員活動における困難事例への支援
- X県の地域断酒会活動の継続に向けたリーダーの思い
- 心理学者の立場から : 二人称の死を考える(シンポジウム2 二人称の死)
- 大会長講演 アディクションを必要とする社会と看護の役割--アルコール・ギャンブル・暴力と家族 (第5回日本アディクション看護学会学術大会)
- 講演 精神看護学で学ばせたい人間関係の見方、考え方--精神看護学 Psychiatric Mental Health Nursingの基本的な考え方と方法 (平成11年度 看護教育施設部会研修会)
- アディクション患者・家族へのケアの実際と看護職の役割
- 特別記事 日本の性暴力被害者支援看護の今後を探る--Sexual Assault Nurse Examinerの活動から学ぶ
- 暴力をめぐる問題にクリティカルシンキングを活かすために--児童虐待・DV・性暴力を例に (特集 クリティカルシンキングのスキルを育てる) -- (第1部 クリティカルシンキングとは何か)
- アディクション問題から見えてきた家族 (特集 現代の家族--神話を超えて)
- アメリカ看護協会で知った"暴力被害"への専門プログラム--「性暴力」そして「医療現場での暴力」に対応して (特集 殴られているのは誰だ--精神病院のなかの「暴力」)
- 焦点3 DV法成立と医療現場 DVに立ち向かう専門家たち『マサチューセツ総合病院』
- アメリカの「刑務所病院」に足を踏み入れて--デブンス刑務所病院 (焦点(1)触法精神障害者の「特別精神病院」構想を前にして)
- ドメスティック・バイオレンスと看護支援(終)暴力のない社会をめざして
- ドメスティック・バイオレンスと看護支援(7)看護介入
- ドメスティック・バイオレンスと看護支援-6-バタラ-の心理
- 暴力被害女性が抱える問題と回復援助 : 暴力被害女性民間シェルター運営の試みから
- 信田さよ子著『アディクションアプローチ--臨床看護への応用』
- 不登校行動の相互作用論的展開 : 入院神経症児のケース分析を通じて
- 先駆的保健活動としてめざすもの「ニ-ズから施策化へ」(1)先駆的保健活動推進事業調査研究小委員会の活動を振り返って
- 専門職意識に関する帰納的分析 : 精神科領域に勤務する看護士との面接を通じて
- DV被害女性が体験した支援と回復に関する一考察 : 回復過程における支援の現状と医療機関の役割
- DVへの早期介入と地域における家族支援--保健師としての役割 (特集 DV問題の解決に向けて)
- なぜ事例検討会を行うのか--自らの体験を振り返って (特集 事例検討会--保健師にとっての意義を改めて考える)
- AKKシェルタ-の現在--暴力被害女性の援助を巡って (特集 危機のサイン)
- 書見台 長谷川行雄・世良守行編『アルコール依存症回復へのアプローチ 地域相談からはじまる道づくり』--回復は一日にしてならず
- この人とネットワーク 犯罪の被害者と加害者双方を支援する、法看護学(フォーレンジック・ナーシング)のパイオニア--バージニア・リンチさん
- 書見台 横川和夫著『降りていく生き方--「べてるの家」が歩む、もうひとつの道』--つながりを取り戻す人びと
- 語りの種を蒔きたい 第17回日本精神保健看護学会ワークショップ「当事者・家族、大いに語る」の体験から
- 私とアディクション看護(5)DVと共依存の問題と出会って--自分自身の生き方も見つめ直す
- 末安民生の赤丸急上昇!私はこれに注目している(2)病院就職の選択基準「辞めない&増やす」戦略は同時進行でいこう
- クリニカルパスのすすめ (特集 クリニカルパスを始めよう)