キタネコブセンチウのゴール形成に関する研究

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本文においては各種の作物に大害を与えるキタネコブセンチュウのレッドクロバーに対するゴール形成に関する実験結果を報告した。すなわち,1)観察は,48時間キタネコブセンチュウにさらしたレッドクロバーを試験管にて培養し,その根に生じたゴールについて行なった。2)接種後3日目,根冠から約2mmのところにふくらみがみられた。3)7日目,ゴブの中間に側根の発生がみられた。側根発生後1週間伸長はみられたが,その後約2週間,伸長が停止した。4)30日目,ゴールの表面にゼラチン状物質がみられ,32日目に卵がその中にみられた。5)側根数は平均4本。6)4日目,ゴールの中心柱に,4個の巨大細胞の形成がみられた。巨大細胞に穎粒状物質で満たされ,多核化していた。普通の細胞の約100〜200倍であった。7)巨大細胞は中心柱の部分に限られていた。8)8日目,導管が極度に圧迫され,側根の分枝がみられた。これらの結果から,レッドクロバーのゴールは,線虫が頭部附近よりある物質を出し,その物質が巨大細胞の形成にたずさわり,結果として全体の膨脹がおこったものと考えられる。側根の分枝活動は,補償作用によるものか,線虫により促進されるものか疑問点が多い。ゴールが概して小さいのは,線虫の頭部附近に作られる巨大細胞が,中心柱に限られているためと考えられる。側根の分枝,生長中断,巨大細胞促進物質,巨大細胞含有物などについてはさらに検討を重ねたい。
帯広畜産大学の論文
1967-03-31

キタネコブセンチウのゴール形成に関する研究

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