煮干しの脂質酸化抑制におよぼす緑茶の影響
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概要
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煮干し製造の煮熟工程に緑茶を1%あるいは5%量の割合にて添加した場合の、その後の乾燥工程での脂質酸化の変化を検討した。すなわち乾燥時間の経過による煮干し中の水分量と、脂質の過酸化物価、酸価、カルボニル価および着色度を測定した。さらに緑茶の添加が煮干しの品質におよぼす影響をみるために、煮干しの色調と"だし"をとり官能検査で評価した。1)本実験に用いたカタクチイワシは40℃通風乾燥の16時間で、水分値は約12%を示し十分に乾燥された。2)緑茶区は対照区と比較し、乾燥中は常にPOV,AV,CVおよび着色度の各値は低値で推移した。3)1%緑茶区に比較し5%緑茶区は煮熟直後から乾燥8時間までは酸化の程度は低かったが、乾燥16時間で1%緑茶区とAV,CVの値は同程度になった。4)煮干しの色は緑茶区に比較して対照区のものが明度は低く赤色味・黄色味の色合いが強かった。5)各煮干しの"だし"の色・味・風味について官能検査の結果、対照区と1%緑茶区、対照区と5%緑茶区あるいは1%と5%緑茶区のそれぞれの間には各項目とも有意差は認められなかった。
著者
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