構造方程式モデリングにおける検定統計量のBartlett補正
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概要
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構造方程式モデリング(SEM)では柔軟なモデル構成が可能であるために,モデルの評価・選択が重要になる。統計的モデル選択において基本となる統計量に尤度比検定統計量Tがあり,SEMでもこれが漸近的にχ^2分布にしたがう性質を利用した検定が可能である。しかし,標本サイズが小さいとき検定統計量Tの標本分布はχ^2分布から正方向に逸脱する。逸脱の度合いは1因子あたりの観測変数数が大きいとき,とくに大きくなる。通常得られる教育心理学データの標本数程度では,この逸脱のため,適切なモデル選択が行えなくなってしまう。また,適合度指標の大部分はχ^2分布にしたがうTの関数として構成されるので,Tの分布のゆがみが直接的に波及する。そこで,我々は今回TにBartlett補正を適用し,そのχ^2分布への近似精度を向上させる方法を提案する。モンテカルロ実験により,提案した方法がTの標本分布のχ^2分布に対する近似精度を大幅に改善していることを確認する。
- 日本教育心理学会の論文
- 2007-09-30
著者
-
星野 崇宏
東京大学大学院総合文化研究科:(現)名古屋大学大学院経済学研究科・経済学部
-
繁桝 算男
東京大学大学院総合文化研究科
-
岡田 謙介
東京大学大学院総合文化研究科
-
星野 崇宏
東京大学教養学部
-
星野 崇宏
統計数理研究所・総合研究大学院大学
-
岡田 謙介
東京大学大学院総合文化研究科:(現)日本学術振興会:(現)東京工業大学
-
繁枡 算男
東京大学大学院総合文化研究科
-
星野 崇宏
名古屋大学
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