精神病理の症状と性格5因子モデルとの関係
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概要
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本研究は,抑うつ・不安・妄想的観念・強迫症状という主要な4つの精神病理的な症状を取り上げ,症状の素因としての性格特性の視点から,症状尺度の因子構造を肯定するのが目的である。研究1ではこれらの症状尺度について同時に因子分析し,どのような因子構造が見られるかを検討した。その結果,第1因子:負感情の妄想的観念の因子,第2因子:不安・抑うつ・強迫症状の「疑惑」・「確認」の因子,第3因子:正感情の妄想的観念の因子,第4因子:強迫症状の「清潔」・「緩慢」の因子の4つの因子が抽出された。研究2ではそれぞれの症状尺度が性格5因子モデルのどの特性と相関があるかを検討した。その結果,因子内の症状との相関はそれぞれの因子内でほぼ同じ相関のパターンを示していることが明らかになった。次に研究3で症状の潜在変数と性格特性との相関が検討された。その結果,因子間で相関のパターンが異なっていることが分かり,素因としての性格特性の影響を反映した因子構造が得られた。
- 日本教育心理学会の論文
- 2002-03-31
著者
-
佐々木 淳
日本学術振興会:東京大学
-
星野 崇宏
東京大学大学院総合文化研究科:(現)名古屋大学大学院経済学研究科・経済学部
-
丹野 義彦
東京大学大学院総合文化研究科
-
佐々木 淳
東京大学大学院総合文化研究科・日本学術振興会特別研究員
-
丹野 義彦
東京大学 大学院総合文化研究科
-
丹野 義彦
東京大学教養学部
-
丹野 義彦
東京大学大学院
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