鶏アデノウイルス血清型1の水平伝播によるアデノウイルス性筋胃びらんの再現(家禽疾病学)

概要

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鶏の筋胃びらん病変部より分離された鶏アデノウイルス(FAV)の水平伝播について検討した.10^6TCID_<50>/0.05mlのFAV-99ZH株を13日齢SPF鶏に経口投与し,接種鶏と同じカゴで飼育した同居群,隣接したカゴで飼育し接種鶏と柵越しに接触が可能な接触群,同室内の70cm離れた場所に設置したカゴにて飼育した非接触群,別室で飼育し上記の群の飼育管理後に管理した群および別室で飼育した対照群を設定した.各群はそれぞれ11あるいは12羽で構成した.筋胃病変は肉眼的あるいは組織学的に,同居群では試験開始10日後から,接触群および非接触群では15日後から観察された.ポリメラーゼ連鎖反応により,同居群および接触群では試験開始5および13日後に,非接触群では20および26日後にクロアカスワブからFAV遺伝子が検出された.FAV血清型1に対する血清中和抗体は,同居群および接触群では試験開始13日後から,非接触群では26日後から陽転した.一方,別室で飼育した二つの群では伝播は成立しなかった.すなわち,FAV-99ZH株は直接接触により急速に伝播する一方,非接触では伝播が遅いことが示された.また,これらの水平伝播によってアデノウイルス性筋胃びらんが再現された.
2007-10-25