豚流行性下痢(PED)ウイルスに対する高度免疫牛初乳の予防効果
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概要
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豚流行性下痢(PED)ウイルスに対する高度免疫牛初乳(HCC)の予防効果を子豚を用いた実験感染で検討した.実験1では,中和抗体価512倍のHCCおよび非免疫牛初乳(UCC)を各4頭の2日齢豚に経口投与後,10LD_<50>のPEDウイルスを経口攻撃した.牛初乳は4時間間隔で1日3回投与した.HCC投与グループの半数は下痢を呈した後回復し,全ての豚は生存した.一方,UCC投与豚は全て下痢を示し3頭が死亡した.実験2では,抗体価512,128および32倍のHCCおよびUCCを投与した2日齢豚を同様に経口攻撃した.攻撃後の生存率はそれぞれ100,75,50および0%であった.実験3では512倍のHCCおよびUCCを投与した1日齢豚を攻撃後24,48および72時間後に剖検して病理学的に小腸を調べた.HCC投与豚は臨床症状を示さず,また,小腸上皮細胞内にPEDウイルス抗原が検出されず絨毛の長さも正常であった.一方,UCC投与豚では小腸絨毛の萎縮と上皮細胞内にPEDウイルス抗原が感染後24時間目から認められた.以上の成績から,HCCの豚への経口投与はPEDウイルス感染の予防に効果があり,致死率を下げることが示された.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2001-06-25
著者
-
小野 雅章
全農家畜衛生研究所
-
柴田 勲
全農家畜衛生研究所
-
森 正史
全農家畜衛生研究所
-
小野 雅章
岩手大学農学部家畜病理学教室
-
Shibata I
Zen‐noh Inst. Animal Health Chiba Jpn
-
小野 雅章
全国農業協同組合連合会 家畜衛生研究所
-
Isao Shibata
Zen-noh Institute Of Animal Health
-
Shibata Isao
Zen-noh Institute Of Animal Health
-
小野 雅章
岩手大 農
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