鶏における薬剤耐性大腸菌の変動
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概要
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前報で, ヒナは餌付前から耐性大腸菌の汚染を受け, これらの耐性大腸菌は50日齢までほとんど減少しないことを報告した. 本報告では, これらのヒナをさらに180日齢あるいは360日齢まで, 抗生物質を含まない飼料で飼育し, それらの耐性大腸菌の変動を調べた. また前回と同様, ふ卵器の綿毛から分離された耐性大腸菌の定着性を血清学的にも検討した. 50日齢まで高頻度に分離されていた耐性大腸菌は, ゆるやかな減少傾向を示し, 耐性頻度は半年後には約50%, 1年後には約20%になった. 耐性型をみると, 50日齢以前にみられていた4, 5, 6剤耐性菌は著しく減少し, 単純な耐性型を示す大腸菌あるいは感受性大腸菌が優勢となった. またふ卵器の綿毛由来で, 初期に優勢であった耐性大腸菌と同一のO抗原群に属する耐性大腸菌も, 50日齢以降激減した. このような耐性大腸菌の変動には, それぞれの大腸菌の定着性が関係しているものと考察した.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1982-06-25
著者
-
佐藤 静夫
全農家畜衛生研究所
-
小枝 鉄雄
動物医薬品検査所
-
中村 政幸
動物医薬品検査所
-
吉村 治郎
動物医薬品検査所
-
佐藤 静夫
動物医薬品検査所
-
吉村 治郎
農林水産省動物医薬品検査所
-
中村 政幸
農林水産省動物医薬品検査所
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