野鳥由来大腸菌の薬剤耐性とRプラスミド
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概要
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6種類の野鳥(カラス, コジュケイ, ムクドリ, キジバト, ヒヨドリ, オナガ)30羽から分離された大腸菌の薬剤耐性とRプラスミドについて調べた. カラス, コジュケイ, ムクドリ由来株にのみ耐性が認められ, それぞれ120株中34株(28.3%), 25株中2株(8.0%), 10株中7株(70%)が耐性であり, これらの全分離株230株中43株(18.7%)が耐性であった. 耐性型は比較的単純で, すべてテトラサイクリン, ストレプトマイシン, スルファジメトキシンの単独型か組合せ型を示した. Rプラスミドはカラス由来耐性菌34株中5株(14.7%)のみから検出された. 一方, テトラサイクリン, クロラムフェニコールあるいはストレプトマイシンを含む平板培地で分離されたカラス由来株34株では, 4剤, 5剤, 6剤耐性菌が認められ, それらの菌株のうちRプラスミドは8株から検出された. なお, これら13株のRプラスミドの遺伝性状を調べた結果, 半数はFi^+であったが, ファージによる制限では多くのプラスミドが異なる性状を示し, 不和合群は用いた簡易法では型別不能であった. 以上の結果から野鳥がRプラスミドの伝播に果す役割は家畜よりも小さいものと推察された.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1982-06-25
著者
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