糖類の液体クロマトグラフィー/質量分析に用いる鉛型配位子交換カラムの開発
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概要
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著者らは,先に単糖及びオリゴ糖の高感度分析を目的として,質量分析計による検出を可能にすべく,配位子交換モード用スルホン酸型ポリスチレン系カチオン交換樹脂(Ca型)セミミクロカラム(ULTRON PS-80C/10S)を開発し,それを用いた液体クロマトグラフィー/質量分析(LC/MS)法を検討した.水を移動相として,エレクトロスプレーイオン化法による質量分析条件を検討した結果,単糖及びオリゴ糖13種を12分以内に分離し,すべての単糖及びオリゴ糖から負イオン化モードにより[M-H]^-イオンを最適イオン種として検出した.更に,これらのイオン化効率の向上をねらって,カラム分離後の溶出液にアンモニア水を添加するポストカラム法を用い,検出感度が格段に向上する方法を考案した.このような分析法の開発により,単糖及びオリゴ糖の分離及び検出において,従来と比較すると格段の向上が見られた.本研究では,単糖及びオリゴ糖分析の更なる分離の向上を目指して,配位子交換モード用スルホン酸型ポリスチレン系カチオン交換樹脂(Pb型)セミミクロカラム(ULTRON PS-80P/5S)を新たに開発し,分析に用いた.最適カラム温度を検討し,各分析条件を最適化して糖類13種類の分析を行った結果,全成分を16分で溶出した.また,以前には相互分離が困難であった成分の分離に成功するなど,成分分離において大きな改善が見られた.検出下限は各糖によって異なるが,マルトトリオースを除く12種類の糖類において,Ca型配位子交換セミミクロカラムよりもわずかながら高感度検出が可能であることが確認された.このカラムの開発により,誘導体化を行わない単糖及びオリゴ糖のLC/MS法による高感度分析が可能になり,従来の示差屈折率検出法を上回る分析法として技術的に貢献できるものと思われる.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 2007-10-05
著者
-
蒲生 啓司
高知大学教育学部
-
蒲生 啓司
高知大 教育
-
和田 啓男
信和化工株式会社
-
中尾 千予視
高知大学教育学部理科教育講座
-
菱田 勝巳
信和化工株式会社
-
蒲生 啓司
高知大学都育学部化学教室
-
蒲生 啓司
高知大・教育・化学
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