ヒトと動物の関係を科学する新分野の創造 : 応用動物科学がもたらす豊かな社会 : I.人との関わりによるバンドウイルカ(Tursiops Truncatus)鳴音の増加
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概要
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水中生活を営むイルカにとって音声によるコミュニケーションは,群れ社会の相互関係を円滑にするため数千万年にわたって高度に発達させた方法であろう。本研究では,人工飼育下において,1)給餌の前(Pre-feeding),2)給餌のとき(Feeding),3)人のいない自由なとき(Free),4)ふれあい場で人と関わるとき(Float),5)人が水中にいるとき(Water)の5つの状態におけるイルカの鳴音の変化について記録解析した。記録した音声は,Spectrogramを用いて2642のホイッスルソナグラムに分けた。10分間単位のホイッスル数は,Freeで最も少なく,Pre-feedingで最も多かった。Pre-feedingと同様に人が存在するFeeding,Float,Waterでもホイッスル数は増加した。ホイッスルソナグラムはそれぞれの条件において明らかに異なり,Pre-feedingでは凸型,波形,トリル型が繰り返し出現した。一方,Feedingでは,特徴的な上昇型が多くみられ,エコーロケーションとの関連が示唆された。また,ホイッスルソナグラムの解析から,Pre-feedingにおいて低周波が記録され,空腹と関連する感晴表現を推測した。最近のイルカ介在療法に関する研究および本研究の結果から,イルカが人との関わりで鳴音を増加させ,このことが人の健康に影響を与えるとの仮説についてさらに検討が必要であるが,本研究で得られたイルカ鳴音データはイルカと人の相互作用,特にイルカ介在療法を推進するに際し,重要な指標となる。
著者
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坂田 亮一
麻布大学大学院獣医学研究科
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太田 光明
麻布大学大学院獣医学研究科
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田中 智夫
麻布大学大学院獣医学研究科
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ターナー デニス
麻布大学大学院獣医学研究科
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太田 光明
麻布大学 獣医学部
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太田 光萌
麻布大学大学院獣医学研究科動物応用科学専攻
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太田 光明
麻布大学獣医学部
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