植栽後64年経過した鎮守の森の植生構造
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概要
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地域の環境保全林として,また地域のコミュニティの場として多様な機能をもつ「鎮守の森(社寺林,社叢林)」において植生調査を行い,森林群落を植物社会学的視点から評価した.植栽後64年が経過する奈良市内の鎮守の森を対象に,2006年4月から11月の期間に調査した結果,当境内地(約5ha)で確認された樹木(植栽樹木および自然散布による生育樹木を含む)は裸子植物10種,被子植物81種5属であった.本殿後方と側方にはスダジイ群落とクスノキ群落(いずれも植栽起源)が成立していた.「植栽種」と「種子散布などにより自然加入した種」の比率を算出ずると,低木層および草本層には,植栽後に加入した種が多く生育していた.とくに草本層の出現種は平均45種,自然散布による加入種の比率は97.8%と高く,このうち「ヤブツバキクラス要素」の種の比率も高い値を示した.植生樽造から,植栽起源の森は64年という時間経過のなかで,地域の森として発達していると評価された.
著者
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