東京湾における小型船のための有義波高の推定

概要

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漁船等に代表される19GT未満の小型船は,他の船舶と比較して,波高が1[m]以下の低い場合でも大角度動揺が生じる場合がある。このため波高の推定は小型船の耐航性能を考察する上で重要な問題である。本研究では動径基底関数ネットワークモデルを用いることにより,海域特性を学習させた入出力系を構築した吹送距離と風速に基づく推定法を提案し,従来の推定法との推定精度の比較を行った。ネットワークの学習に関しては,合計38組の計測データセットから10組のデータセットを抽出し,この10組のデータセットを用いて,入力を吹送距離と風速,出力を有義波高としてネットワークの構築を行った。推定においては,残り28組のデータセットに関して,この入出力系が当てはまり有義波高の推定が可能かを検証した。その結果,本研究での提案法がより精度の高い推定結果を示した。ただし,ネットワークの構築のための学習に用いた入力変数の変域以外の入力変数に対しては十分な予測ができない可能性があるため,今後更に観測データを増やし,より広い変域での入出力変数を用いてネットワークモデルの学習を行っていく必要がある。
日本水産工学会の論文
2005-02-15