標準正則化原理と生理学的知見に基づく盲点補完モデル
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概要
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盲点におけるパターン充填を行なう視覚数理モデルについて考察した。数理モデルが何を解いているのかを明確にするために、標準正則化原理に基づいた考察をおこない、演繹的にモデルを導出した。本研究ではまず、立体視モデルなどで頻繁に用いられる、拡散方程式によるパターン充填の問題点を指摘する。次に、MatsumotoとKomatsuらの神経生理学的実験結果(J. Neurophysiology, vol.93, pp.2374-2387, 2005)を計算論的に解釈し、画像パターンの事前知識として2階微分で与えられる微分幾何量を導入した。具体的には、curvature of level-setと、curvature of now lineを導入した.さらに、盲点における充填には2つの異なる経路(V1野内の水平結合の遅い経路・V2野を介す速い経路)があるというMatsumotoらの指摘を、V2とV1の間の断熱近似とみなし、充填のためのダイナミクスを導出した。導出された数理モデルは神経生理学的実験結果を説明できるだけではなく、画像修復のためのアルゴリズムとしても高い有効性を持つことがわかった。
- 2007-03-09
著者
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