多解像度画像再構成を計算論とするV1野モデル
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概要
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V1野における長距離水平結合の効果には興奮性・抑制性が存在し、それぞれが空間的に規則性を持って分布していることが知られている。また、ニューロンの発火頻度に依存して興奮性・抑制性が変化する(以降単に非線形性と呼ぶ)ことも神経生理学実験によって明らかにされている。これまでにも長距離水平結合の数理モデル研究は行なわれており、長距離水平結合の計算論として輪郭統合が提案されてきた。しかしながら、非線形性を輪郭統合で説明することは非常に困難である。本研究では、V1野の方位選択性細胞は方位検出だけでなく、多解像度画像再構成も同時に行なっていると仮定して、V1野の数理モデルを構築する。すなわち、V1野長距離水平結合の計算論は輪郭統合ではなく、多解像度画像再構成であることを提案する。多解像度画像再構成に必要なダイナミクスを得ることで、長距離水平結合の空間分布ならびに非線形性が演繹的に導かれ、神経生理学的知見と定性的に一致することを示す。数値実験により、提案モデルの画像工学的有効性も確認される。
- 2006-03-09
著者
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