ハイドロキシアパタイト沈着症及び変形性関節症の関節液診断

概要

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関節液中にハイドロキシアパタイト(HA)が出現する症例を対象に,その同定法とその臨床的意義について検討した。ハイドロキシアパタイト沈着症(HA沈着症)は,リウマチ性疾患の中でもめずらしい疾患である。関節液のHAの同定は,正確には電子顕微鏡による検索が必要であるが,日常診療においては一般的ではない。本研究では,早期診断するために,関節液による光学顕微鏡,偏光顕微鏡,アリザリンレッドS染色を用いた簡便な方法を検討した。その結果,HA結晶沈着症では,光学顕微鏡でごつごつしたHA結晶の小塊が見られ,偏光顕微鏡ではCa結晶が同定され,アリザリンレッドS染色では陽性であった。関節液のHAは,HA沈着症のみならず,変形性関節症(OA),透析患者OAでも認められ,光学顕微鏡では,HA小塊として同定された。本研究において,関節液中のHA現数を測定することにより,OAの診断が可能であることが明らかとなった。また,透析患者のOAでは,血中のカルシウムやリン酸塩をコントロールする治療が必要である為,わずかなHA塊数であっても結晶同定の臨床的意義は高いと考えられる。
大阪教育大学の論文
2006-09-29