相模湾および周辺海域に来遊する海産哺乳類
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概要
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相模湾およびその周辺海域において,航空機と船舶による海産哺乳類の目視調査を実施した.2001年〜2005年に合計7回の調査を行ったが,目視されたのはカマイルカ3群のみにとどまり,海産哺乳類で本海域に定住するものはいないことが伺われた.カマイルカの発見は2月と3月に限られ,同時に顕著な摂餌行動が見られたことから,カマイルカは初春に北上しその途上で摂餌のために相模湾に来遊することが示唆された.また分布確認が期待されたスナメリは発見されなかった.スナメリは東京湾での分布が知られているが,今回の東京湾口部の調査では発見されず,おそらく分布が湾奥部に限られているものと考えられた.相模湾は三浦半島東岸が比較的入りくんだ岩礁性の岬を含む複雑な地形であるためスナメリの相模湾への回遊を妨げ,相模湾北部はなだらかな海岸線を呈するもののスナメリの生息に適した海域は限られているものと考えられた.今回の調査の結果とは逆に多様な海産哺乳類の漂着が相模灘海域から記録されていることは,海産哺乳類のような移動能力に富む動物の一時的な来遊や季節的な回遊を目視観察するためには,頻繁で長期的な調査が必要であることを示している.
- 2006-03-27
著者
-
山田 格
国立科学博物館
-
Yamada Tadasu
Independent Administrative Institution National Museum
-
石川 創
(財)日本鯨類研究所
-
山田 格
Department Of Zoology National Science Museum Tokyo
-
山田 格
国立科学博物館動物研究部
-
倉持 利明
国立科学博物館動物研究部
-
天野 雅男
東京大学海洋研究所国際沿岸海洋研究センター
-
石川 創
日鯨研
-
石川 創
財団法人日本鯨類研究所
-
山田 格
国立科学博物館動物第一研究室
-
Yamada T
National Sci. Museum Tokyo Jpn
-
Yamada Tadasu
Department Of Zoology National Science Museum
-
天野 雅男
京都大学理学部
-
天野 雅男
帝京科学大学アニマルサイエンス学科
-
天野 雅男
東京大学海洋研究所大槌臨海研究センター
-
Amano M
International Coastal Research Center Ocean Research Institute The University Of Tokyo
-
Amano M
Otsuchi Marine Research Center Ocean Research Institute The University Of Tokyo
-
Amano Masao
Otsuchi Marine Research Center Ocean Research Institute The University Of Tokyo
-
Amano Masao
Otsuchi Marine Research Center Ocean Research Institute University Of Tokyo Otsuchi
-
倉持 利明
Department Of Zoology National Museum Of Nature And Science
-
天野 雅男
京都大学・理学部・動物学教室
-
山田 格
国立科学博物館新宿分館
-
倉持 利明
国立科学博物館
-
Amano Masao
Faculty Of Fisheries Nagasaki University
-
倉持 利明
Department of Veterinary Medicine, Faculty of Agriculture, Tokyo University of Agriculture and Technology
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