虚血性心疾患患者における運動時心拍数増加曲線勾配の臨床応用(第61回日本体力医学会大会)

概要

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漸増運動負荷時のVO_2に対するHRの増加動態を指数関数曲線によって回帰分析し,その曲線の勾配(I-ECOH)が,虚血性心疾患患者の心肺予備能の指標として妥当かつ有用であるか検討した.その結果,以下の成績を得た.正常な左心室機能を有するIHD患者,慢性心不全を合併するIHD患者(CHF患者),健常者および長距離ランナーのI-ECOHとVO_2peakはそれぞれの間で有意差を認めた(p<0.001).IHD患者とCHF患者においてI-ECOHとVO_2peakの間に有意な負の相関関係が認められた(p<0.001).CHF患者におけるNYHAの心機能分類において,I度のVO_2peakが最も高く,II度,III度と徐々に低くなり,3群間には有意な差が認められた(p<0.001)一方,I-ECOHは逆にI度が最も低く,II度,III度と徐々に高くなり,クラス間に有意な差が認められ(p<0.001)両群とも明瞭に区分ができた.以上のことから,I-ECOHはIHD患者の心肺予備能の指標として妥当かつ有用であり,臨床応用が可能であると考えられた.
日本体力医学会の論文
2006-02-01