副交感神経切除時におけるマウス下顎腺の形態について

概要

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鼓索神経を舌神経とともに切断除去後, 12時間目〜30日目のマウス下顎腺を組織学的に, さらに一部の腺体について電子顕微鏡的に観察した.1.神経切除初期の変化として, 下顎腺重量は, 一時的にわずかな増加の傾向を示した.組織学的に一定面積内の腺胞の占める面積比率は, 増大し, 腺胞細胞は, 肥大し, 電子密度の低い分泌顆粒で充満していた.2.神経切除後, 雌では3日目, 雄では2日目に腺重量の減少ならびに腺胞の萎縮が明らかに認められ, 4日目まで激しくその後, 30日目までほぼ変わらなかった.3.4日目以降30日目までの下顎腺の萎縮は, 組織計測学的観察から, 主として腺胞の萎縮にもとづくものであり, 顆粒分泌管の萎縮は, 極めて小さいものであった.4.萎縮のとくに著しい例では, 腺重量は極度に減少し, 組織学的にも腺胞の著しい萎縮がみられ, 間質には, 多量の膠原線維の増生が認められた.5.筋上皮細胞は, 腺胞および介在部のほか, 分泌管にも認められた.
鹿児島大学の論文
1974-03-20