屋久島のタヌキから検出された鳥類寄生性鉤頭虫種(寄生虫病学)
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概要
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屋久島で収集されたタヌキ(Nyctereutes procyonoides viverrinus)14頭とコイタチ(Mustela itatsi sho)2頭の寄生蠕虫を検索した.この世界自然遺産となっている本島にとって導入動物であるタヌキから,3種の鳥類寄生性鉤頭虫(5頭からMediorhynchus robustus,2頭からPorrorchis leibyi,1頭からSphaerirostris lanceoides)の幼若虫が,吸虫や線虫とともに検出された.屋久島に自然分布するコイタチ(Mustela itatsi sho)1頭の交通事故死材料からも,鳥類寄生性鉤頭虫1種(P. leibyi)の幼若虫が検出された.タヌキ腸管からのM. robustusの検出率は36%と著しく高く,屋久島のスズメ目野鳥での本種の高い感染率と,タヌキによる昆虫などの中間宿主あるいは待機宿主の旺盛な摂食が示唆された.なお,国内でのM. robustusの検出は,愛知県豊橋市のカケス(Garrulus glandarius japonicus)からM. garruliとして新種記載された1939年以来となる.P. leibyiは国内での分布記録はなかった.
- 2006-07-25
著者
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青木 正成
自然環境研究センター
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鈴木 和男
田辺市ふるさと自然公園センター
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青木 正成
(財)自然環境研究センター
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鈴木 和男
ひき岩群ふるさと自然公園センター
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佐藤 宏
山口大学農学部
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佐藤 宏
山口大学 農学部獣医寄生虫病学研究室
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鈴木 和男
自然環境教育センター
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