音は注意により予測され知覚される(<特集>「記憶・注意」)

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概要

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音は周囲の状況に応じ,様々な多感覚性の文脈の中で知覚されている.スピーカから聞えてくる言葉や音楽などの聴覚情報も,会話や演奏の現場に居合わせれば視覚情報が加わり,自身が会話や演奏行為の主体となれば更に運動覚が加わる.聴覚性の文脈の中での逸脱音の前注意検出過程を反映して,ミスマッチ陰性電位が生成されることはよく知られているが,より日常的な多感覚性の文脈においても,クロスモーダルな逸脱音の注意下検出過程を反映して,類似した早期陰性成分が生成されることが最近判ってきた.多感覚性の文脈から来るべき音を予測する脳機能は,注意下の知覚過程では常に作動し,情報処理資源の節約と並列処理の効率化のほか,様々な高次脳機能と関連している.
2006-04-14

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