中小飲食業の計量分析
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概要
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農産物や食料品の最終需要先の1つである外食産業は急速に成長を遂げてきた.まず,外食産業全体の時系列的変化を主成分分析を適用することによって考察した.ついで,外食産業のなかでも多くを占める中小飲食業を対象として,その発展要因を生産関数を計測することによって明らかにした.さらに,健全企業と欠損企業との間の差異がいかなる決定要因によるものであるかを判別分析によって考察した.その結果,(1)外食産業は,全体として量的拡大を続けてきたが,外食需要の変化に伴う業種の盛衰によって質的変化が生じていること,また,(2)中小飲食業として,食堂・レストラン,そば・うどん店,すし屋および喫茶店の4業種を対象にした生産関数分析より,食堂・レストランと喫茶店の場合は規模に関して収穫一定の状況にあるのに対し,そば・うどん店は収穫逓減的,すし屋は収穫逓増的であるといえるが,外食企業の生産関係は,規模に関して収穫一定に近い状況にあるとみなすと,収益の多くは原材料に分配されていること,さらに(3)飲食業が健全企業であるか欠損企業であるかの主要決定要因は収益性と経費効率であるが,業種によっては,それらに加え安全性や直接材料費率が重要な要因となっていること,等が判別分析によって明らかにされた.しかし,技術進歩の有無に関する考察,他業種についての分析,より分析に有用なデータの探索,別の分析方法の開拓等,残された課題も多い.今後の課題としたい.
- 千葉大学の論文
- 1999-03-31
著者
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