野菜の需要と生産に関する計量的分析 : キュウリ,トマトを対象として
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本稿の目的は,野菜とくにキュウリおよびトマトについて,その需要関数と生産関数を計測し,分析することにある.分析結果を要約すると次の通りである.(1)キュウリ,トマトの需要の季節性は大きく減少しており,需要の周年化が著しく進展していること.(2)期間(昭和38〜49年および50〜56年)別,四半期(1〜3月,4〜6月,7〜9月,10〜12月)別の需要関数を月別データにより推定した結果,以下の諸点が明らかにされたこと.(1)キュウリ,トマトに対する需要の消費支出弾性値は必ずしも正の値をとるとは限らず,38〜49年の期間と50〜56年の期間とでは明確に異なること,および四半期別にみた場合,それらの弾性値は大きく変化すること.(2)キュウリ,トマトの50〜56年における自己価格弾性値は,38〜49年のそれに比べるとかなり非弾力的となっていること.(3)比較検討の結果,最も妥当的と判断されるキュウリ,トマトに対する需要の各弾性値は,第6表に示す通りであること.(3)キュウリ,トマトの生産について,コブ・ダグラス型生産関数を栽培型(ハウス促成,ハウス半促成,トンネル半促成,露地およびハウス抑制)別に計測した結果,土地,労働,資本の生産弾性値は,栽培型によって異なる値をとり,これによってそれぞれの生産の特徴をかなり明らかにすることができたこと.本稿を作成するにあたり,当研究室の清水隆房教授からは有益なご助言を,また,レフェリーからは適切なコメントをいただいた.厚く御礼申し上げる次第である.なお,計算は,ほとんど千葉大学情報処理センターのM-170システムを利用して行った.
- 1984-03-30
著者
関連論文
- 貿易自由化後における生鮮オレンジの産地別品質需要分析 : Armington モデルによる接近
- 沖縄県生食パインアップル農家の生産規模拡大への方向性 : 沖縄県国頭郡東村および八重山地方における農家アンケートからの接近
- 沖縄県生食パインアップル生産における経営方針・品種選択行動に関する評価 : 選択型コンジョイント分析による接近
- 貿易自由化後における果実需要の変化と地域間格差 : 地方・都道府県別データを用いて
- 貿易自由化後におけるパインアップル農家の生産規模規定要因 : 沖縄県国頭郡東村における農家アンケートからの接近
- 貿易自由化後におけるバナナ需要の計量的分析 : 四半期別需要関数・輸入関数分析による接近
- 我が国におけるレモン需要の計量的分析 : 四半期辺別需要・輸入関数分析による接近
- 貿易自由化後におけるかんきつ類需要の要因分析 : 所得・年齢・地域データを用いて
- 外的環境条件が稲作生産に与える効果に関する計量的分析 : 近畿地域を対象として
- 経済改革以後の中国農業生産技術の地域的変化
- 自己組織化マップアルゴリズムに主成分分析とクラスター分析を併用した林業地域分類方法とその検証
- 森林所有者の林業活動が森林資源管理に及ぼす影響の計量分析 : 間伐実施の意思決定に関する分析
- パルプ材需給の計量分析
- 林家の造林行動に関する計量的分析 : 拡大造林と再造林の比較
- 製紙産業の費用構造分析 : トランスログ型費用関数による計量分析
- 林家の造林行動に関する計量的分析 : 再造林を事例として
- 大規模紙・パルプ企業の生産行動に関する計量分析
- 我が国紙・パルプ産業の計量分析
- 土地改良区経費の主体別負担率に関する研究
- かんきつ類需要の要因分析 : 所得・年齢階層別データを用いて
- 「中食」消費行動の要因分析 : 大学生を対象としたアンケート調査から
- 中小飲食業の計量分析
- 食料需要変化の日韓比較
- 野菜の需要と生産に関する計量的分析 : キュウリ,トマトを対象として
- 農業基盤整備事業の付加価値誘発効果 : 投資の地域バランス分析
- 外食消費の要因分析
- 野菜作経営部門の計量的診断方法とその検証
- 野菜作経営部門の判別関数による分析
- 中央卸売市場会計の変動要因に関する一考察
- 大規模紙・パルプ企業の生産行動に関する計量分析