園芸作物の品質評価と経済的評価に関する研究 : 第1報 メロンの食味評価と化学的・物理的特性の関係
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概要
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マスクメロンの客観的品質評価として炭水化物(単少糖類),タンパク質量,インピーダンスを測定し,これらと食味テストとの相関を求め解析した結果,以下のような知見を得た.1.食味テストによる「甘味」と可溶性固形物(Brix値)との間には有意な相関があり(r=0.653),「甘味」とBrix値との間の相関はサッカロース及び全糖量間の相関に比べ高かったが,同一Brix値でも広範な「甘味」を示した.このようにBrix値のみによる甘味の評価は必ずしも正確でなく, Brix値13.5%以上で,かつサッカロース量が35mg・gFW^<-1>以上の範囲に「甘味」評価値+1以上の多くの個体が入り,Brix値とサッカロース量の両方を用いることで「甘味」をより的確に表すよい指標となりえた.2.食味テストの「肉質」と比重,新鮮重との間に有意な相関はみられなかった.3.重回帰分析の結果,食味試験のマスクメロンの「うま味」は「肉質」,「香り」よりも「甘味」に依存することが明確となった.4.主成分分析により全サンプルは3グループに大別され,1グループは全糖,「甘味」,「うま味」,IIグループはIグループと相反するもの, IIIグループは全糖,「甘味」,「うま味」,Brix値が大きいもののサッカロース量が少なく,フラクトース,グルコース量の多いものであった.これらのグループは主に産地によって特徴づけられたが,産地による価格差は必ずしも総合評価「うま味」を反映していなかった.5.いずれの糖も静電容量との間に有意な相関は見られないが,表面に打ち傷をもつ障害果はCole-Cole円の形状が他と大きく異なり,静電容量と「肉質」との間に有意な相関があることから,インピーダンスによる品質の判定はさらに検討を要する.
- 千葉大学の論文
- 1993-03-25
著者
-
野島 博
作物学研究室
-
北条 雅章
千葉大学環境健康都市園芸フィールド科学教育研究センター
-
高垣 美智子
千葉大学園芸学部
-
野島 博
作物学
-
高垣 美智子
農場研究室
-
丸尾 達
蔬菜園芸学研究室
-
内野 敏剛
植物生産工学
-
北条 雅章
別科研究室
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