オーチャードグラスの貯蔵炭水化物の差が刈取後の窒素吸収に及ぼす影響
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概要
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オーチャードグラスの品種フロードの1クローンを水耕法により栽培し,刈取前5日間の遮光処理と刈取高さの差により,刈取時の貯蔵炭水化物のレベルを異にする4試験区を設け,刈取後の窒素吸収量を刈取直後から16日目までに合計5回,それぞれ新たに調製した^<15>Nを含む水耕液で1日間処理して求めた.得られた結果は次のとおりである.1.地上部の貯蔵炭水化物含有率は刈取時には無遮光10cm刈区が最も大で,中遮光10cm刈区,強遮光5cm刈区,強遮光10cm刈区の順に小であり,刈取後それぞれ減少し,12日目にはほぼ最低となり,その後増大した.2.地上部の乾物1g当り吸収窒素量は刈取後次第に増加した.地下部では刈取直後に各区とも比較的大であり,その後やや小さい値のままそれぞれほぼ一定値で推移した.3.個体当り窒素吸収量はいずれの区も刈取直後に比較的大であり,その後減少し,11〜12日目,15〜16日目に再び大となった.区間での差異は刈取直後において著しく,その後においては強遮光5cm刈区が特に小であることを除き,少くなった.4.個体当り貯蔵炭水化物含量と個体当り窒素吸収量の刈取後の各測定時における関係には正の有意な相関関係がみられた.またこの関係は従属生長期間におけるものと,独立生長期間におけるものとに分けることができそれぞれに有意な正の相関係数が得られた.貯蔵炭水化物含量の増大に対する窒素吸収量の増大は独立生長期において大であった.5.圃場条件下における貯蔵炭水化物含量と窒素吸収量との関係について考察を加えた.
- 1975-11-25
著者
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