シバの葉緑素およびキシロースの利用に関する研究
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概要
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1.シバのクロロフィル含量の時期的変化についてしらべた結果,7,8月がその含量は約5%で最も多く,11月には,ノシバ,コウライシバとも7月8月の半量程度に減少した.2.ノシバ,コウライシバの品種によるクロロフィル含量の差は認められない.3.-30℃での冷凍状態による貯蔵中クロロフィルは,6ケ月間の長期にわたっても,はっきりした変化が認められない.4.30℃での貯蔵の場合には,貯蔵開始後25時間で,クロロフィルaが約28%,クロロフィルbが約20%,全クロロフィルが約25%減少した.5.ノシバ,コウライシバの7,8,9,11月のキシラン含有率を測定した結果,11月が最も多い含量を示した.葉緑素の利用と合せ考えると,7月8月が利用度が高いと考えられる.6.ノシバの粗製キシランの抽出率,回収率を測定した結果をアシおよび藁稈類のそれと比較すると,ほぼ匹敵する程度であった.7.葉緑素を抽出したシバの残渣のキシラン含有率は,生のものから抽出したものとほとんど差のないことがわかった.8.粗製キシランの構成糖をガスクロマトグラフィーにより測定した結果,キシラン純度は70%以上で,他にアラビノース,キシロース,ガラクトース等を含む.以上により,7,8月のシバから葉緑素を抽出利用し,その残渣からキシランを製造する方法が両者の利用上有効と思われる.
- 千葉大学の論文
- 1970-12-31
著者
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