J. 高分子中に取り込まれた水の高周波分光法による状態分析 : 水と安全の科学
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概要
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製作した高周波分光装置において、横軸を周波数、縦軸を共振強度にとったスペクトルとして観測すると、物質中の水の束縛状態に対応すると考えられる位置にピークが現れ、かつ、混合比を変えるとピークがシフトする、すなわち水の状態分析ができることが判明した。これを、衝撃吸収剤の原料の一つであるポリオールに適用した。その結果、束縛状態の異なる3種の水の存在を確認することができ、これは熱測定(DSC)による結果と一致するものであった。とくに本法では測定温度を変えることなく常温の実験のみでDSCと同じ結果が得られたことが特徴といえる。この成果を踏まえ、さらに各種の試料につき試験的な測定を行た。たとえば、エチレンオキシドーヒドロキノンの系、エチレンービニルアルコール共重合膜の系、コロイダルシリカ(石油分留用のゼオライトを合成するときの前駆体)の反応過程、等々である。いずれも興味ある知見を与えそうなスペクトルを得ることができ、目下、さらなる研究の具体策を検討中である。
- 神奈川大学の論文
著者
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藤原 鎮男
元知識情報研究所:(現)総合理学研究所
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天野 力
Department Of Chemistry Faculty Of Science Kanagawa University:to Whom Correspondence Should Be Addr
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西本 右子
Department Of Chemistry Faculty Of Science Kanagawa University
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杉谷 嘉則
筑波大化
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杉谷 嘉則
神奈川大学理学部化学科
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杉谷 嘉則
神奈川大学(理学部化学科)
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Takei T
Department Of Chemistry Faculty Of Science Kanagawa University
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関 邦博
Department Of Biological Sciences Faculty Of Science Kanagawa University
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Sugitani Y
Department Of Chemistry Faculty Of Science Kanagawa University
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西本 右子
神奈川大学
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