ゼブラフィッシュを用いた小核試験の検討
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概要
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魚類の細胞遺伝毒性を指標にした水質汚染モニタリングの検討を行っている。基礎的データを得るため、染色体異常誘発物質であるマイトマイシンC(MMC)の水浴処理によるゼブラフィッシュ(Danio rerio)の鰓細胞に対する小核誘発特性について検討を行った。MMCの濃度は10-500μg/ml、処理時間は3時間あるいは24時間、処理および飼育温度は26.5-28.5℃であった。MMCの濃度に依存して小核の増加が認められた。処理後24時間に小核出現頻度がほぼ最高値に達することが判った。24時間処理群の方が3時間処理群に比して高い小核出現頻度を示した。全試験を通して個体による小核出現頻度のバラつきが小さく安定したものであり、ゼブラフィッシュの鰓細胞を用いた小核試験のデータが細胞遺伝毒性の指標になる可能性が示唆された。また、最近深刻視される酸性雨は陸水域の酸性化を引き起こす危険性があり、遺伝資源保存の観点から環境の酸性化のゼブラフィッシュの鰓細胞に及ぼす影響についても試験を行った。低pH環境においてMMCによる小核出現頻度が高まることが認められ、低pH環境が環境変異原の毒性を強める可能性が示唆された。
- 宇都宮大学の論文
- 2004-03-10
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