児童における算数学習の自己評価と内発的動機づけとの関連
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概要
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今日の教育実践上の課題として子どもの学習意欲の向上に有効な自己評価のあり方が求められている。本論文での主たるテーマは,到達度評価による自己評価が小学校5年生の算数学習と動機づけに及ぼす効果を実験授業によって検討した鈴木(2004)において解明が十分でなかった問題について,データの再分析と新たなデータの追加によって考察を深めることにある。その結果,授業レベルでの自己評価において授業目標を意識した分析的評価を媒介とする総合的評価の遂行が,少数ではあるものの動機づけ水準が低く授業での習得水準が十分でない児童の動機づけを高める可能性を確認した。また,ハーター(1981)による内発的-外発的動機づけ測定尺度に見られる児童の1年間の変化は特に「基準」尺度に顕著であった。到達度評価が教師と子どもによる評価基準の共有化を図る条件を有していることに鑑みて,自己評価による学習意欲向上の出発点となる手立てがまず評価基準の学び(内面化)に求められることが示唆された。
- 宇都宮大学の論文
- 2004-04-01
著者
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