「交通安全教育」を支援するマルチメディア教材の開発と評価 : 状況判断の速度の向上を目指して

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小学校特別活動の交通安全教育においては,児童たちが遭遇する実際の場面に対応した学習指導が必要である。しかし,これまでの交通安全教育には,次のような問題点がある。(1)講話やVTR教材の視聴では受動的であり学習者主体の学習が困難である。(2)個別の実技指導は実施が困難である。(3)自転車の運転時の判断を養成するための教材が少ない。そこで,コンピュータを使った学習者主体のマルチメディア教材を開発し,交通安全教育を支援することとした。この教材は,自転車を運転するときに必要な危険予知及び危険回避の判断を,学習者が主体的に行うことを目的としている。さらに,危険回避の判断には時間制限を設け,学習者の判断の速度の向上も図った。この教材の効果を検証するために,危険回避における状況判断時に時間制限を設けた実験群と,時間制限を設けなかった統制群の2群に分けて実験授業を行った。評価は10種類の交通場面に対する判断の正誤を学習者に回答させる評価問題によって行った。さらに,状況判断の速度の向上を検証するために,全ての回答が終了した時点で学習者に挙手させた。その伏況をビデオによって記録し,速さを検証した。その結果,事前・事後テストの分析から実験群の方が反応時間の速度が向上することが分かった。一方,事後の意識調査において,両群共に80%以上の学習者が「正しい判断が速くできるようになった」との回答を得た。
宇都宮大学の論文
2003-04-01

「交通安全教育」を支援するマルチメディア教材の開発と評価 : 状況判断の速度の向上を目指して

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