大量の肝内門脈ガス像を呈した広範小腸壊死1例
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概要
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大量の肝内門脈ガス像を呈した広範小腸壊死1例を報告する.82歳,女性.既往歴は,高血圧,胆石,逆流性食道炎と20年前に帝王切開。平成15年12月5:30,全身倦怠感,水様性下痢,嘔吐を主訴に他院受診.腹部造影CTで肝左葉の門脈内に樹枝状に広がる空気像,腹部大動脈周囲後腹膜に空気像を認め,当院へ転送された.意識レベルはJCS-1,収縮期血圧42mmHg,脈拍数146,呼吸数32,直腸温36.9℃,腹部は板状硬で圧痛を認めた.白血球数は9,270/mm^3,CRPは16.4mg/dlと上昇しており,血小板は4.1万/mm^3,PTは45%などDIC状態だった.アルブミン1.5g/dlと低栄養,BE-10.8mEq/lとアシドーシスを認めた.造影CTで上腸間膜動脈内の血栓は明らかではなかった.開腹すると,腐敗臭を伴う腹水を認め,E.coliが同定された.小腸は,Treitz靱帯より約1mから境界明瞭に壊死状態,肛門側は横行結腸中央部付近まで全層性壊死,下行結腸とS状結腸は虚血状態であった.穿孔は認められなかった.全身状態が劣悪であったため,小腸広範囲切除,結腸亜全摘,上位空腸痩造設,S状結腸断端の腹壁開腹創への固定しか施行しなかった.切除標本の病理では腸管の末梢動脈攣縮像が認められた.術後,サイトカイン吸着術,大量輸血,CHDFを含む集中治療を行ったが翌日多臓器不全で死亡した.
- 2005-03-31
著者
-
森脇 義弘
横浜市立大学附属市民総合医療センター高度救命救急センター
-
鈴木 範行
横浜市立大学附属市民総合医療センター高度救命救急センター
-
杉山 貢
横浜市立大学附属市民総合医療センター高度救命救急センター
-
山本 俊郎
横浜市立大学第2外科
-
小菅 宇之
横浜市立大学市民総合医療センター救命救急センター
-
豊田 洋
横浜市立大学市民総合医療センター救命救急センター
-
藤田 誠一郎
横浜市立大学附属市民総合医療センター
-
小菅 宇之
横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター救命センター
-
森脇 義弘
横浜市立大学 救命救急セ
-
岩田 誠一郎
横須賀北部共済病院外科
-
鈴木 範行
横浜市立大学附属市民総合医療センター高度救命救急センター消化器・一般外科
-
鈴木 範行
横浜市立大学 医学部精神医学教室
-
豊田 洋
横浜市立大学附属市民総合医療センター高度救命救急センター心臓血管・一般外科
-
豊田 洋
横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター救命救急センター
-
杉山 貢
横浜市立大学附属市民総合医療センター
-
杉山 貢
横浜市立大学救命救急センター
-
森脇 義弘
横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター 高度救命救急センター
-
石井 寛裕
横浜市立大学医学蔀附属市民総合医療センター高度救命救急センター
-
杉山 貢
日本救急医学会
-
杉山 貢
横浜市立大学医学部救命救急センター
-
杉山 貢
横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター 救命救急センター
-
杉山 貢
横浜市立大学附属浦舟病院救命救急センター
-
山本 俊郎
横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター救命救急センター
-
小菅 宇之
横浜市立大学医学部第1外科
-
杉山 貢
横浜市立大学医学部付属浦船病院救急救命センター
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