高機能自閉症児の対人関係認知に関する研究 : PFスタディによる検討
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概要
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対人関係の問題は、高機能自閉症児にあっても中核的な症状をなすものである。本研究は、自閉症児の対人関係認知における問題を明らかにするための手がかりを得ることを目的として、PFスタディによる検討を試みたものである。PFスタディの24種のフラストレーション場面が、それぞれ対人関係における状況認知の場面を構成していることに着目して、一人の高機能自閉症児の日常生活場面における対人関係の変容が、PFスタディの反応特徴にどのように反映されるかについて検討した。CA10歳3ヵ月から16歳の間に実施された7回のPFスタディの結果と療育活動場面や日常生活場面での対人関係の様子とを比較検討した結果、PFスタディで示される本元の反応特徴は、日常生活場面で指摘される対人関係認知における問題と一致する点が多く、さらには、認識発達の高次化や加齢に伴う対人関係のあり方の変容はPFスタディの反応結果に反映されることが示された。また、PFスタディの対人関係における場面状況の分析結果から、自閉症の対人関係認知の問題は、対人関係を構成する場面や認知構造とも関連させて把握していく必要性が示唆された。
- 東大阪大学の論文
- 2004-03-15
著者
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