擬似移行性アークを用いた基材の表面アブレーション(機械工学科)

概要

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熱プラズマCVDは、薄膜の組成・組織制御可能な高速成膜プロセスとして、あらゆる分野においてその実用化が求められている。近年では、真空雰囲気下のみならず大気雰囲気下での成膜も可能であるとの報告もあり、時間面のみならず、設備面においても従来の薄膜プロセスより有用なプロセスになりうるものと考えられる。しかしながら、大気雰囲気下で熱プラズマCVDを用いて合成した皮膜は、汚染された基材表面上に形成されるため、皮膜の基材との密着力が弱く、それに起因して皮膜自体の強度も低いなどの問題を抱えており、実用化を図るためにはこの点を解決する必要がある。そこで本研究では、基材表面清浄機能を持つ大気熱プラズマCVDの開発を目的として、基材設置型陽極を持つ擬似移行性アークトーチを用いた基材の表面アブレーションを試み、本手法の有効性について調べた。その結果、基材設置型陽極に2枚の1mm厚の銅版を用いて陽極間に幅1mmの隙間を開け、その隙間にアーク柱を付着させることによって、隙間から露出した基材表面でアブレーションが起こり、本手法大気熱プラズマCVDにおける基材清浄化プロセスとして有効であることがわかった。
2004-03-18