<国立科博専報>奄美大島の海産ハゼ科魚類相
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概要
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1. 奄美大島で採集された海産ハゼ科魚類は, 28属71種(種小名未定を含む)であり, 奄美大島が分布の北限記録となるものはそのうちの15種である。2. 奄美大島で採集された海産のハゼ科魚類の中で, 日本初記録種となるものはムジコバンバゼ(新称)Gobiodon unicolorとクマドリコバンハゼ(新称)Gobiodon oculolineatusの2種である。また和名のない13種について新和名を与えた。3.奄美大島のハゼ類相は, 薩南諸島よりもむしろ八重山・沖縄諸島に類似し, 琉球列島型の存在形態としては北端に位置するものと考えられる。4. 日本の各沿岸におけるハゼ類相は, ホシハゼ, イソハゼ, サツキハゼ, クツワハゼ, クモハゼの温帯水域への広域分布を示している。これら5種は特に限定された生活環境を必要とせず, 同属のなかでも水温の季節変化への適応力や広範囲な被食者選択力を獲得できた種と考えられる。
- 1990-12-01
著者
-
林 公義
横須賀市自然博物館
-
藍澤 正宏
東京大学総合研究資料館動物資料部門
-
伊藤 孝
横須賀市北部保健所
-
新井 良一
国立科学博物館動物研究部
-
林 公義/藍澤
横須賀市自然博物館/東京大学総合研究資料館動物資料部門/横須賀市北部保健所/国立科学博物館動物研究部
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