<国立科博専報>日本産テンジクダイ科魚類相の検討 : 紀伊半島における特性
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概要
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1. 紀伊半島に分布するテンジクダイ科魚類は5属22種で, 日本周辺海域から記録されている12属52種の約42%を占めている。 2. 日本周辺海域に分布するテンジクダイ科魚類はこれらの分布の中心緯度により3群に大別される。第1群 : 北太平洋北部に分布の中心緯度がある温帯性種群で1属1種。第2群 : 北太平洋中部に分布の中心緯度がある亜熱帯性種群で4属11種。第3群 : 北太平洋南部に分布の中心緯度がある熱帯性種群で9属40種。 3. 紀伊半島白浜周辺海域のテンジクダイ科魚類は第2群に含まれる亜熱帯性種群が約41%, 第3群に含まれる熱帯性群が約59%とほぼ均等に分布する。 4. 近接率により地理的区分を再精査した結果, 紀伊半島白浜周辺海域の近接率は駿河湾, 下田沿岸での値と比較して宮崎, 高知沿岸との関係が深いことから, 北太平洋中部区に相当するものである。 5. 紀伊半島白浜周辺海域に分布の北限がある種は Apogon unicolor, Pseudamia amblyuropterus, Apogon taeniatus, Fowleria isostigma, Cheilodipterus macrodon の5種があり, うち前2種は亜熱帯性種群に, 他の3種は熱帯性種群に属する。
- 国立科学博物館の論文
- 1980-12-01
著者
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