呼吸器症状と末梢血好酸球増多を認める症例の組織・肺機能およびアレルギー学的検討

概要

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なんらかの呼吸器症状を呈し, 末梢血好酸球増多を伴う22症例に, 気管支鏡によって気管支粘膜および肺実質組織を採取し, その組織学的変化, アレルギー学的検査および肺機能検査などの関連を末梢血好酸球を軽度(400∿1, 000/mm^3), 中等度(1, 000∿2, 000/mm^3), 高度(2, 000/mm^3∿)の3群に分け検討した。対象疾患は, 気管支喘息(8例), 慢性気管支炎(6例), PIE症候群(6例), アレルギー性肉芽腫性血管炎(2例)であった。末梢血好酸球数と気管支粘膜への好酸球浸潤度は有意な相関関係を, 肺実質への好酸球浸潤度は相関傾向を認め, 末梢血好酸球増多が著明なほど, 組織への好酸球浸潤も著明であった。末梢血好酸球数と血清IgE値およびアセチルコリン閾値との間には, 有意な相関は認められなかった。肺機能に関し, FEV_<1.0>%および%VCは, 末梢血好酸球増多の程度により, 差は認めなかったが, %DL_<co>は末梢血好酸球軽度増多群よりも, 中等度増多群に有意な低下を認めた。
日本呼吸器内視鏡学会の論文
1985-06-25