データ依存型ウィナーフィルタの帯域分割処理による音声信号の雑音抑圧(システムオンシリコン及び一般)

概要

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携帯電話等の屋外での通話を目的とする通信機器では雑音抑圧技術が不可欠である。雑音抑圧法は短時間振幅スペクトル(STSA)分析をもとにしたスペクトル差引き法、ウィナーフィルタによる方法が最も広く用いられている。本論文ではSTSAに基づくウィナーフィルタを基盤とし、無音区間と有音区間でフィルタ処理を可変させる方法を提案する。ウィナーフィルタ計算に用いる雑音を推定雑音よりも大きめに仮定することで雑音残留をなくすことが可能となる。無音区間では雑音を大きめに仮定し、完全な雑音抑圧を実現する。そして有音区間では原音の保存にも考慮する必要から、無音区間との処理形態を変える。音声信号は最大4KHz程度とするが、その帯域まで一様にスペクトルが存在するわけではない。そこで、有音区間では周波数帯域を4等分してそれぞれの帯域ごとに雑音の抑圧度合いを変えて、音声の保存と雑音抑圧の両立を図る。さらに無音区間と有音区間の処理の切り替え部における不連続感を緩和するためにフィルタ処理形態を徐々に変化させていく工夫も加える。主観評価から提案手法がウィナーフィルタよりも顕著に優れた雑音抑圧手法であることを明らかにする。
2005-11-17