再構成したα1(v)α2(v)α3(v)と[α1(v)]_2α2(v)の組成を持つV型コラーゲン細線維の形態
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概要
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【目的】V型コラーゲンは組織内においてI,III型コラーゲンと混合細線維を形成し、その直径を抑制する。組織内においては基底膜や細網線維などの細いコラーゲン線維に分布している。V型コラーゲンにはα鎖組成の異なる2種のサブタイプ,α1(V)α2(V)α3(V)〔以下V123〕および[α1(V)]_2α2(V)〔以下V112〕,が知られている。今回2種のV型コラーゲン・サブタイプ標品から再構成した細線維の微細形態を明らかにし、その組織内分布について考察した。【方法】ヒト胎盤よりペプシン処理と塩分別法にてV型コラーゲンを精製した。V112はV123に比べてヘパリン親和性が高いことを利用して、ヘパリンアフィニティー・クロマトグラフィーにより2種のV型コラーゲン・サブタイプを分離精製した。2種のサブタイプを各種の条件下で再会合させ、その会合体を酢酸ウランによる陰染色をほどこし電顕的に観察した。【結果】28℃から37℃まで再会合時の温度を変えたところ、V112標品からはどの温度においてもD周期性横紋を有する細線維が形成された。V123標品からは34℃以下ではD周期性横紋を有する細線維が形成されたが、37℃では横紋のない細線維が形成された。一旦34℃で再構成したD周期性横紋を有するV123コラーゲン細線維を37℃に置いたところ、60分以内に横紋が消失し、細線維の先端は多数のサブフィブリルに分枝していた。【考察】D周期性横紋の変化から、37℃ではV123コラーゲン分子間の静電的相互作用の減弱や分子の立体構造の変化により、V123コラーゲン細線維の超構造が変化すると考えられる。V型コラーゲンは基底膜に多く分布することから、V112コラーゲンは生体内で線維細網板のD周期性横紋を有する細線維を構成し、V123コラーゲンは横紋のない線維としてV112コラーゲン細線維と基底板との結合に重要な役割持っているのではないかと推察される。
- 日本結合組織学会の論文
著者
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林 利彦
東京大学 大学院 総合文化研究科 生命環境系
-
安達 栄治郎
北里大
-
水野 一乘
東京大学・教育・体育
-
林 利彦
東京大学・教養・化学
-
安達 栄治郎
北里大学・大学院・医療系研究科・分子形態科学
-
今村 保忠
東京大学・大学院・総合文化研究科広域科学専攻・生命環境科学系化学
-
林 利彦
東大・総合文化
-
水野 一乘
東京大学・大学院・総合文化研究科 広域科学専攻・生命環境科学系身体運動
-
今村 保忠
東京大学 大学院 総合文化研究科 生命環境系
-
林 利彦
東京大学・大学院・総合文化研究科広域科学専攻・生命環境科学系化学
-
安達 栄治郎
北里大学大学院医療系研究科・分子形態科学
-
Hayashi Toshihiko
Department Of Life Sciences College Of Arts And Sciences The University Of Tokyo
-
Hayashi Toshihiko
Department Of Life Sciences Graduate School Of Arts And Scienses The University Of Tokyo
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