ウシ角膜のコラーゲン線維の単離

概要

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【目的】角膜の実質層の線維はおもに縞模様を示すコラーゲン線維から構成されている。さらに一定で細い線維径を持ち、整然と並んでいる。他の組織の線維と比較することにより角膜のコラーゲン線維の特徴を解明するための知見が得られると考え,角膜内の線維の単離を試みた。すでに報告されている棘皮動物(ナマコ,ウニ)の体壁からコラーゲン線維を単離する方法を角膜に応用し、得られたものを解析した。【方法】松村の方法を改変し、ウシ角膜を液体窒素を用いて粉砕し、メルカプトエタノールを含む中性溶液に浸した。分散された画分を遠心後、沈殿を回収した。得られた画分を電子顕微鏡観察などによる解析を行った。【結果】得られた画分はほぼ一定の線維径を持ち、単離している線維を多量に含んでいた。この線維は縞模様を示し、線維径が約30nmで角膜内の線維と同様であった。【考察】角膜の線維同士は棘皮動物の体壁中のコラーゲン線維間を接着している因子と似た物質・機構により接着している可能性が考えられる。またこの方法は、角膜内と同様の一定の線維径を持つコラーゲン線維を多量に調製するために有効であることが示された。現在、コラーゲン線維の生化学的性質を解析し,線維の特徴(一定の線維径など)について検討中である。

ウシ角膜のコラーゲン線維の単離

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