犬のフラッシュ刺激視覚誘発電位の脳電位図による解析(臨床病理学)
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概要
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フラッシュ刺激による視覚誘発電位(flash VEP)は網膜から大脳視覚野に至るまでの電気生理学的反応を記録する.犬のflash VEPについて脳電位図による解析を行った.Flash VEPでは光刺激後150msecまでに3つの陽性成分(P1, P2およびP3)と2つの陰性成分(N1およびN2)が記録された.脳電位図では陰性の電位変動が刺激側の前頭部にみられ, その後反対側の前頭部, 後頭部へと刺激後100msecまでに移動した.Flash VEPのN1, P2およびN2の潜時に相当する時間に, 陰性の電位変動はそれぞれ刺激側の前頭部, 反対側の前頭部または側頭部, および後頭部に認められた.実験的に右外側膝状体を損傷させた犬では, 左眼を刺激したときのflash VEPはP2の潜時が延長し, N2およびP3の成分は消失した.脳電位図では初期の刺激側前頭部における陰性の電位変動のみが認められた.したがって, flash VEPのP1およびN1は網膜電位を, P2は網膜から脳幹に至る電位を, N2は脳幹から大脳視覚野に至る電位を反映していると考えられた.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2005-09-25
著者
-
玉原 智史
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医臨床病理学教室
-
松木 直章
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医臨床病理学教室
-
小野 憲一郎
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医臨床病理学教室
-
小野 憲一郎
東京大学大学院農学生命科学研究科
-
肝付 智文
三共(株)安全性研究所
-
安田 充也
三共(株)安全性研究所
-
恩田 賢
東京大学大学院農学生命科学研究科獣医臨床病理学教室
-
松木 直章
東京大学大学院・獣医臨床病理
-
高木 司郎
三菱ウェルファーマ(株)安全性研究所
-
玉原 智史
東京大学大学院農学生命科学研究科
-
松木 直章
東京大学 大学院農学生命科学研究科獣医臨床病理学研究室
-
肝付 智文
三共(株)安全性研究所:東京大学大学院農学生命科学研究科獣医臨床病理学教室
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