牛における乳汁中の副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTHrP)とカルシウム濃度(臨床病理学)

概要

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牛乳腺における副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTHrP)とカルシウム(Ca)濃度との関係について,周産期乳腺の動静脈差を検討し,ついで乳汁中のPTHrPならびにCa濃度を検討した.周産期乳牛の血中Ca濃度では分娩前後に一過性の減少が認められたが,その低下時にCa濃度の大きな動静脈差は認められず,乳腺へのCa取り込みは明らかではなかった.また,血中PTHrP濃度はいずれの時期においても検出限界以下(0.57pmol/l)であった.一方,乳汁中のPTHrP濃度は著しく高く(平均27,200±7,920pmol/l,範囲14,900pmol/l-41,200pmol/l),またCa濃度も著しい高値(平均1,000±135mg/l,範囲772mg/l-1,200mg/l)を示した.さらに,乳汁中のPTHrP濃度とCa濃度との間には有意な正の相関(P<0.01)が認められ,乳腺で産生・分泌されるPTHrPは乳汁中のCa濃度の調節に関与しているものと考えられた.
社団法人日本獣医学会の論文
2006-07-25