Orbencarb sulfoxide および benthiocarb sulfoxide のクロルベンジル部分のダイズ幼苗中における代謝運命
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概要
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畑地用除草剤orbencarbのダイズ幼苗中における代謝経路を明らかにするため、orbencarbの重要な代謝中間体であるorbencarb sulfoxideの代謝試験を実施した。^14C標識orbencarb sulfoxide水溶液に第2本葉期のダイズ茎部を浸して48時間栽培後、orbencarb sulfoxideの挙動と代謝物の化学構造を合成標品とのco-chromatographyによって検討した。その結果、処理放射能の64形が植物体に吸収され、他の放射能は未変化のorbencarb sulfoxideの形で水溶液に残った。植物に吸収された放射能の大部分が代謝物として存在し、orbencarb sulfoxideは植物中全放射能のわずか1%であったことからorbencarb sulfoxideは植物中で速やかに代謝されることが明らかになった。Orbencarb sulfoxideの2-chlorobenzyl部由来の代謝物として、S-(2-chlorobenzyl)cysteine誘導体5個、2-chlorobenyl alcohol、肌(2-chlorobenzyl)disulfide、 2-chlorobenzylsulfonic acidが同定された(Table 2)。植物中全放射能の10%をこえる主要代謝物は。S-(2-chlorobenzyl)cysteine、 S-(2-chlorobenzyl)-N-malonylcysteineおよび2-chlorobenzyl alcoholの糖抱合体であり、特にcysteine残基を含む代謝物の総和は43.5%であった。これらの代謝物は親化合物であるorbencarbからも主要代謝物として見出されていることから、orbencarbからorbencarb sulfoxideを経由する含cysteine化合物キ2-chlorobenzyl alcoholへの代謝はorbencarbの重要な植物代謝経路であることが示唆された(Fig.2).同様な条件下、orbencarb sulfoxideの4-クロノレ異性体であるbenthiocarb su1foxidc(非放射性)を処理したところ、代謝物として3-(4-chlorobenzyl)cysteineがN-acetyl-O-methyl誘導体として単離、同定され(Fig.1)、その生成率は植物体に吸収されたbenthiocarb sulfox1deの4.1%であった。
- 日本雑草学会の論文
- 1986-10-26
著者
-
富澤 長次郎
National Institute Of Agro-environmental Sciences
-
池田 光政
クミアイ化学工業(株)生物科学研究所
-
右内 忠昭
クミアイ化学工業(株)生物科学研究所
-
富澤 長次郎
農業操境技術研究所農薬動態科
-
右内 忠昭
Life Science Research Institute Kumiai Chemical Ind. Co. Ltd.
-
池田 光政
クミアイ化学・生科研
-
池田 光政
クミアイ化学工業株式会社
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