選択性除草剤CMMPの作用性について(II)
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概要
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トマト,ニンジン,ミツバ,イチゴに対して選択性をもつ除草剤CMMPについて,ほ場での散布適期および温室内試験による他薬剤との混合効果ならびに栽培条件とトマトのCMMP感受性との関係について検討した。(1)CMMPのメヒシバおよびカヤツリグサ優占地における処理適期は,メヒシバでは2葉期前後(草たけ0.5〜4cm),カヤツリグサでは1〜2葉期(草たけ0.5〜1.2cm)であることを確認した。(2)CMMPの土壌処理効果は,ほ場では茎葉処理の場合における使用薬量でおよそ無処理区の60〜70%程度除草できるが,diphenamid剤と比較すると残効性に乏しい。なお土壌中での残効性は生物検定で20日程度と判断されるが,この結果は化学分析による検討結果とほぼ一致した。さらに土壌中では乾燥条件下でほとんど分解が認めらないこと,無処理土壌より滅菌土壌中のほうが分解は遅いこと,また陽光下よりしや光条件下のほうが分解が急速であることなどから,土壌中では微生物による分解も十分推察される。(3)ジクワットとCMMPとの混合剤は適当な混合比(たとえばCMMP1に対しジクワット1/30を混合)により,トマトに実用上の害を与えず除草効果を著しく増大することを認めた。(4)トマトの施肥条件とCMMP感受性との関係を検討したところ,N欠,P欠でわずかにCMMPの作用が高まることを認めたが,K欠,Mg次およびN多,P多,K多栽培条件下では全く影響が現われなかった。
- 日本雑草学会の論文
- 1968-12-25
著者
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