除草剤CMMPに関する研究 (第3報) : CMMPの作用機構について
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概要
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除草剤CMMPの選択段草機構を明らかにするため, まずその作用点について検討した。(1) CMMPに比較的感受性であるホウレンソウ葉緑体を用いた実験ではCMMPは, DCPA, DCMU, Bromacil と同じく Hill 反応およびこれに共役する non cyclic 光りん酸化反応ならびに cyclic 光りん酸化反応を阻害した。(2) したがつて主たる殺草作用点は他の光合成阻害剤とかなり類似していることが判明した。(3) ついでホウレンソウ以外のCMMP感受性および抵抗性植物を供試し検討した結果, トマト, ナスおよびタバコの場合はCOLBYらも報告しているように cyclic な光りん酸化反応の測定が成功しなかつた。(4) そこでCMMPの各種植物生育抑制薬量をもとめたところトマトよりも数倍抵抗性のあるミツバが見出されたため, これを供試し光りん酸化反応を調べた結果, 明らかに cyclic な光りん酸化反応は阻害された。(5) したがつてCOLBYらの推察は否定されるものと考えられる。(6) 一方CMMP処理後, 孔辺細胞内の葉緑体を観察したところ感受性植物では, 経日的に溶解消失したが, 抵抗性植物ではまつたく変化が認められなかつた。(7) しかたがつて選択殺草作用は, CMMPの葉緑体の破壊に対する抵抗力の差に起因する可能性がある。
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