選択性除草剤CMMPの作用性について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
トマトに対して作用の小さい選択性除草剤CMMPについて,適用作物および他種農薬の時間的近接散布の影響について検討した。(1)温室内およびほ場においてCMMPの実用性を検討したところ,ニンジン,パセリ,ミツバなどのカラカサバナ科のそ菜およびイチゴ,ラッカセイに対してきわめて作用が小さく,実用性は十分期待できた。またサトイモ,トウモロコシ,イネ(田植え水田)に対しては,なお使用方法等の検討を要するが,ナス,ビート,ペチュニア,ピーマン,タマネギ,キュウリなどでは,薬害が大きく全く実用性は認められなかった。(2)ニンジンに対してCMMPの適用性を検討したところ,トマトの場合と同様,苗令が大きくなるに従ってCMMPに対する低抗力は高まり,3〜4葉期以後の茎葉部全面散布でも薬害は認められず,また根部発育状況に対しても悪影響はなく,きわめて実用性が高かった。またトマトとのCMMP感受性の比較では,むしろニンジンのほうが抵抗力の高い結果を得た。(3)CMMPと他種農薬との時間的近接散布の影響を検討したところ,温室内(高温多湿条件)では,MEP剤,ジメトエート剤などの有機リン剤およびNAC剤などのカーバメイト系薬剤処理区ではトマト下葉に枯死葉を生じやすく,安全を期するためCMMP薬量の減量もしくはMEP剤,ジメトェート剤,NAC剤ではCMMP処理前後1週間,EPN剤などの有機リン剤,ジネブ剤,マンネブ剤,トリアジン剤では前後3日間近接散布をさける必要があるものと思われた。その他の薬剤,たとえば銅水和剤,メチラム剤,キャプタン剤,DDT剤,DDT・DDVP混合剤処理では現度用薬量でほとんど影響はないようであった。なおほ場では,近接散布をさけるべき間隔を温室内より2日程度短縮できるようであるが,MEP剤,ジメトエート剤,NAC剤讐については十分注意する必要があろう。
- 日本雑草学会の論文
- 1967-12-25
著者
関連論文
- 除草剤カフェンストロールの芝適用性
- 3 新規カルバモイルトリアゾール系化合物の除草活性 : 第6報 CH-900の処理方法と殺草性
- 8 新規トリアゾール系化合物の除草活性 : 第4報 CH-900の除草効果変動要因と水稲適用性
- 15 新規カルバモイルトリアゾール系化合物の除草活性 : 第7報 CH-900がタイヌビエの内部組緘に及ぼす影響
- 109 木酢に関する研究 : 第5報 近年開発されたイネ主要品種に対する作用性、ならびに2, 3の基礎作用特性について
- 73 植物生長調節剤イナベンフィド(CGR-811)に関する研究(16) : イナベンフィド処理が、イネの収量構成要素、登熟期の乾物生産におよぼす影響
- 84 木酢に関する研究 第4報 木酢液中の主要成分の植物生理活性について
- 83 植物生長調節剤イナベンフィド(CGR-811)に関する研究(15) イナベンフィドの移植前処理が、イネの分蘗発生、各分蘗稈の収量構成要素におよぼす影響
- 79 植物生長調節剤イナベンフィド(CGR-811)に関する研究 : (14) イネの登熟、登熟期の乾物生産、籾殻重におよぼす影響
- 78 植物生長調節剤イナベンフィド(CGR-811)に関する研究 : (13) イネの主稈および分蘖稈の枝梗数、登熟歩合に及ぼす影響
- 85 植物生長調節剤イナベンフィド(CGR-811)に関する研究 (12) : 各種作物に対する土壌混和ならびに敷藁処理の影響
- 84 植物成長調節剤イナベンフィド(CGR-811)に関する研究 (11) : イネ葉身の生長および有効茎歩合におよぼす影響
- 50 植物生長調節剤イナベンフィド(CGR-811)に関する研究(10) : イネ登熟期の葉面積、受光態勢、収量構成要素におよぼす影響
- 49 植物生長調節剤イナベンフィド(CGR-811)に関する研究(9) : イネの主稈および分蘖稈の生長への影響
- 新植物生長調節剤イナベンフィド(CGR-811)のイネ生長調節作用
- 4′-Chloro-2′-(α-hydroxybenzyl)isonicotinanilide (Inabenfide) のイネ苗成長調節作用と倒伏軽減効果
- 95 植物生長調節剤CGR-811に関する研究(7) : 小麦に対する生長調節作用
- 除草剤 2-(α-naphtoxy)-N,N-diethylpropionamide (R-7465) に関する研究 : 第1報 とくに基礎作用特性について
- DMSOと除草剤との混用効果に関する研究
- 3. 2-(d-naphtoxy)-N, N-diethylpropionamide(R-7465)に関する研究 : (3) とくに残効性について
- 58 植物生長調節剤CGR-811に関する研究(2) : とくにイネ苗質におよぼすCGR-811処理の影響
- A19 新アミン誘導体の化学構造とその植物生理活性について
- 移植水稲に対するカフェンストロールの薬害発現要因
- 9 新規トリアゾール系化合物の除草活性 : 第5報 CH-900とブロモブチドの配合による除草効果ならびに水稲適用性
- 27 新規トリアゾール系化合物の除草活性 : 第3報 1-(diethylcarbamoyl)-3-(2, 4, 6-trimethylphenylsulfonyl)-1, 2, 4-triazoleの作用特性
- 9 新規トリアゾール系化合物の除草活性 : 第2報 1-(diethylcarbamoyl)-3-(2-ethyl-6-methylphenylsulfonyl)-1,2,4-triazoleの作用特性
- 植物生長調節剤イナベンフィドのイネ倒伏軽減効果および玄米発達への影響
- 植物生長調節剤イナベンフイドのイネ短稈作用に及ぼす温度の影響
- 67 植物生長調節剤CGR-811に関する研究 (8) : CGR-811 (セリタード)の日本晴に対する生長調節作用
- 植物生長調節剤イナベンフィドのイネ短稈作物
- 94 植物生長調節剤CGR-811に関する研究(6) : CGR-811処理水田土壌中での残効性
- 93 植物生長調節剤CGR-811に関する研究(5) : CGR-811処理がイネの諸形質におよぼす影響
- 99 植物生長調節剤CGR-811に関する研究(4) : 移植水稲に対する矮稈作用と倒伏軽減効果
- 59 植物生長調節剤CGR-811に関する研究(3) : イネ品種と効果および温度,播種量,床土と作用性
- 植物生長調節剤イナベンフィドの作用に及ぼす中干し,間断灌漑の影響
- 植物生長調節剤イナベンフィドの作用に及ぼす追肥の影響
- 植物成長調節剤イナベンフィドの作用と栽植密度の関係
- 植物生長調節剤イナベンフィドの日本晴への適用性
- 植物成長調節剤イナベンフィドの開発
- 78 倒状軽減剤CGR-811を施用した水稲の下位節間の構造
- 89 S-isopropyl hexabydro-1H-azepine-1-carbothioate(R-4574)に関する研究 : 第3報 R-4574の作用特性について(2)
- 104 植物生長調節剤CGR-811に関する研究(1) : とくにイネの箱育苗への適用性について
- 5. S-isopropyl hexahydro-1H-azepine-1-carbothioate (IHAC)に関する研究
- 58 木酢に関する研究 : 第3報 木酢液混和培土で育成したイネ苗の移植後の生育,ならびに移植イネへの木酢液適用性について
- ウラシル系除草剤に関する研究.第1報. : 5-bromo-3-butyl-6-methyluracilの作用特性について
- 56. S-inopropyl hexahydro-1 H-azepine-1-cabothioate に関する研究 : 第1報 とくに基礎作用特性について
- 84 木酢に関する研究 : 第2報 木酢液のイネ初期成育におよぼす基礎作用特性について
- ウラシル系除草剤に関する研究 : 第1報 5-bromo-3-butyl-6-methyluracilの作用特性について
- 103 木酢に関する研究 : 第1報 木酢のイネ初期生育促進効果,ならびにその検定法
- Diaminomaleonitrile(DAMN)に関する研究-1-DAMNのキク挿し芽の発根および生育促進効果について
- 23. 2-(α-naphtoxy)-N, N-diethylpropionamide (R-7465)に関する研究 (7) : R-7465・シメトリン・MCPB混合剤の除草効果
- 2. 2-(α-naphtoxy)-N, N-diethylpropionamide (R-7465)に関する研究 : (6) R-7465と2,3の生長調節物質との相互作用について
- 1. 2-(α-naphtoxy)-N, N-diethylpropionamide (R-7465)に関する研究 : (5) R-7465とCMMPとの協力殺草作用について
- 除草剤 2-(α-naphtoxy)-N,N-diethylpropionamide (R-7465) に関する研究 : 第2報 とくにシメトリンとの混用効果について
- 4. 2-(d-naphtoxy)-N, N-diethylpropionamide(R-7465)に関する研究 : (4) とくに作用性について
- 8. Phenoxy alkyl halide系除草剤に関する研究 : 第2報 MC-701(4-chloro-3, 5-dimethylphenoxy propylchloride)の作用特性について
- 7. Phenoxy alkyl halide系除草剤に関する研究 : 第1報 Phenoxy alkyl halide系化合物の化学構造と除草活性について
- 8. 2-(a-naphtoxy)-N, N-diethylpropionamideに関する研究 : (2) とくにシメトリンとの混合剤の水稲適用性について
- 7. 2-(a-naphtoxy)-N, N-diethylpropionamideに関する研究 : (1) とくに基礎作用特性について
- 22. 除草剤CMMPに関する研究 (第7報) : とくに作用機構について
- 除草剤CMMPに関する研究(V) : CMMP・NAC混合剤の除草効果と選択性
- 除草剤Vernolateに関する研究 : 第1報 プラスチックマルチ栽培場面における除草効果と実用性
- 7. 選択性除草剤CMMPの研究 第5報 : 土壌中および植物体中における残留量分析ならびに作用機作について
- 6. S-propyl dipropylthiocarbamate (Vernam)の除草作用(第1報) : ビニルマルチ栽培場面における除草効果
- 選択性除草剤CMMPの作用性について(II)
- 選択性除草剤CMMPの作用性について
- 7. 除草剤CMMPの作用性に関する研究(第4報)
- 6. 除草剤CMMPの作用性に関する研究(第3報)
- 12. 除草剤CMMPの作用性に関する研究(第2報)
- 11. 除草剤CMMPの作用性に関する研究(第1報)
- 7. Dimethyl Sulfoxideの除草効力増強作用について
- 水稲用除草剤カフェンストロールの開発と利用技術の確立
- 木酢液の農業場面への利用-5-(2)木酢液中の主要成分のイネの生育に及ぼす影響-2-
- 木酢液の農業場面への利用-4-(2)木酢液中の主要成分のイネの生育に及ぼす影響-1-
- 147 穀酢液の植物生長調節作用に関する研究 : 第1報 基礎効力とその生物検定法について
- イネ成長調節剤イナベンフィドの作用性
- カフェンストロールの水田条件下における除草効果変動要因
- 水稲用除草剤カフェンストロールの開発と利用技術の確立
- トリアゾールカルボキサミド誘導体の化学構造とタイヌビエに対する除草活性
- (165) 農薬のくん煙形態に関する研究 : (第4報) 同薬量のプロシミドンくん煙剤と散布剤の灰色かび病防除効果比較 (昭和56年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- 水稲用除草剤カフェンストロールの開発と利用技術の確立
- シアン酸塩 : 16.無機化合物 : 除草剤解説(4)
- バーナレート : 8.カーバメート系除草剤 : 除草剤解説(2)
- CMMP(Solan) : 6.酸アミド系除草剤 : 除草剤解説(2)
- 除草剤NaCNOの作用機作に関する一考察
- 16 除草剤NaCNOの作用機作に関する一考察
- 接触型除草剤NaCNOの殺草性に関する2,3の考察
- 14. NaCNOの殺草性に関する一考察
- 除草剤CMMPに関する研究(IV) : 土壌中における分解および分解阻害剤について
- 除草剤CMMPに関する研究(III) : CMMPの作用機構について
- 除草剤CMMPに関する研究 (第5報) : 特に作用機構について (2)
- 除草剤CMMPに関する研究 (第4報) : 特に作用機構について
- 除草剤CMMPに関する研究 (第3報) : CMMPの作用機構について
- フェノ-ル類の含硫誘導体の播種後土壌処理による殺草活性について(ノ-ト)
- 新アミン誘導体の化学構造とその植物生理活性について
- 除草剤CMMPに関する研究-1-特に作用性について
- フェノ-ル類およびα,β-不飽和ケトン類の含硫誘導体の生育期茎葉処理による殺草活性について(ノ-ト)