農耕地におけるヒレハリソウの栄養繁殖特性

概要

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薬用, 食用あるいは飼料作物として一時期盛んに栽培されたコンフリー(Symphytum officinale L., 和名: ヒレハリソウ)は, 近年その需要が減少したため放置され雑草化している。そこで雑草害が問題となっている圃場でヒレハリソウの発生と発育状況を調査した。1) 調査した圃場にはさまざまなサイズあるいは生育段階のヒレハリソウ個体が混在し優占群落を形成していた。そのうちの開花期個体では, 栄養成長期個体に比べて草高と広がりが大きい傾向にあった。2) 圃場に発生したヒレハリソウは作土中に残存した地下部器官の断片に由来し, 茎基部の短縮茎を持つ個体と持たない個体に分けることが出来た。前者は開花期に達していたが, 後者は栄養成長期にあり, 芽の先端が地表面に到達していない個体もあった。3) ジャガイモを作付した畝跡に発生したヒレハリソウは畝間跡に発生したものより繁殖体の埋没程度が浅く, 地上部重の大きいものが多かった。土壌中の地下部器官断片から, 新たに形成された全器官重のうち新地下器官重の占める割合と地下器官断片の埋没深度との間には高い正の相関が認められた。
日本雑草学会の論文
1995-10-31