熱帯の焼畑放棄地で優占するEupatorium odoratumの他感作用

概要

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Eupatorium odoratumは多年生のキク科の低木で、熱帯アジアの焼畑放棄地にしばしば侵入し優占群落を形成する。E. odoratum地上部からの浸出物が、焼畑放棄地でよくみられるベニバナホロギク、カッコウアザミ、キョウキシバおよびE. odoratumの発芽や実生成長に及ぼす影響を検討した。シャーレによる発芽試験の結果、E. odoratum生葉の水抽出液の処理によって2〜4日の発芽の遅延が供試した総ての雑草種で認められた。石英砂の上にE. odoratumの生葉、枯葉および茎の各粉末試料をそれぞれ添加し、そこで実生を成長させた。焼畑放棄後のごく初期に優占種となるベニバナホロギク実生の成長は、最も強い抑制を受けた。次いでE. odoratum自身の実生の成長が強く抑制された。一方、カッコウアザミやキョウキシバの実生の成長に対する抑制は上述の2種に比べて小さかった。枯葉を粉末試料として処理した区で最も強い成長抑制がみられた。
日本雑草学会の論文
1993-07-31