日本産イノシシの歯牙による年令と性の判定
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概要
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本研究の目的は, ニホンイノシシの年令と性の判定基準を作成することである. 材料として, 飼育イノシシ8例と丹波産野生イノシシ122例の頭蓋標本を用い, 歯牙の肉眼および組織学的観察をおこなった. 結果は以下の5点に要約される. 1. 歯牙の萌出と咬耗の程度によって, 12月に捕獲された89例の野生イノシシ頭蓋標本は5年令群に区分された. 2. 下顎第一後臼歯の歯根岐部の象牙およびセメント質に形成ざれる年輪によって, 上記の5年令群は7力月令およびそれに1年ずつ加算した年令に対応することが確認された. 3. 年輪を構成する広帯と薄帯のうち,後者のCa含量が高いことが認められた. 4. 年令が明らかな8例の飼育イノシシ頭蓋標本における歯牙の萌出は, 野生イノシシの歯牙の萌出と一致するものであった. 5. 解剖所見によって性別が明らかな122例の頭蓋標本を用いて性判別の基準を求めた. その結果, 下顎犬歯の冠部と頚部の計測によって, Age class II (生後19〜20カ月令)以降の頭蓋標本は, 100%の的中率で性の判別が可能となった. また下顎体犬歯部のX線撮影によって, 生後6力月令の性判別ができることが明らかになった.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1977-04-25
著者
-
林 良博
東京大学農学部獣医解剖学教室
-
西田 隆雄
東京大学農学部獣医解剖学教室
-
瀬田 季茂
警察庁科学警察研究所
-
望月 公子
東京大学農学部家畜解剖学教室
-
林 良博
東京大学農学部
-
西田 隆雄
東京大学農学部家畜解剖学教室
-
望月 公子(
東京大学農学部家畜解剖学教室
-
望月 公子
日本大学農獣医学部獣医学科
-
望月 公子
東京大学農学部
-
Namikawa Takao
Faculty Of Agriculture Nagoya University
-
西田 隆雄
東京大学農学部
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