実験的 Eimeria tenella および E. acervulina 感染鶏の臓器および血液の変化について
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概要
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9日令のヒナ280羽を無感染対照, Eimeria tenella 胞子形成オーシスト1万個感染(Et-5), 5万個感染(Et-5), および E. acervulina 50万個感染(Ea)の4群に分けた. 感染後の経過に伴い各群5〜8羽ずつ抽出して剖検し, 体重, 臓器重量, 血液所見, 消化管病変を測定ならびに観察した. Et の各群では, 感染4日後に血便の排泄が始まり, それにひきつづき種々の症状が現われた. おもな所見は死亡(Et-5), 摂食量の減退, 体重減少, 脾臓と肝臓の肥大, 盲腸の萎縮病変, 赤血球数・血色素濃度・ヘマトクリット値および血漿総蛋白濃度の低下であった. これらの症状の多くは, 感染10〜l5日後までに回復したが, 盲腸病変は30日後でも回復しなかった. しかし, 耐過生存したものの成長は, 無感染対照群とほとんど変わらないほどに回復した. Ea 群では, 感染3日後より顕著な症状が現われ, とくに摂食量の減退, 成長抑制, 心臓の縮少が著しく, 粘着性に富む糞便を排泄した. 血液では赤血球の変化は小さかったが, 血漿蛋白濃度は著しく低下した. これらの症状の多くは, 感染10日後までには回復し, これはオーシストの排泄が終わるのに一致した. 血液成分にみられた変化は Et 群に比べて小さかったが, 期間がやや長かった. Ea の群で最も注目すべき所見は, 発病期にみられた成長抑制が慢性的経過をたどり, 感染30日後でも回復しなかったばかりか, 無感染対照群との成長の差がさらに大きくなる傾向を示していることであった.
- 1971-10-25
著者
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