コクシジウム自然感染家兎に対するスルファモノメトキシン(SM),とスルファジメトキシン(SD)の効果
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概要
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家兎コクシジウム病に対しては有効な薬剤が少なく,サルファ剤など二,三の薬剤の報告をみるにすぎない.特にサルファ剤の多くは,コクシジウム原虫を殺滅するほどの量を与えると,家兎が中毒を起こすため,安全な投薬は期待できなかった.一方,これらの薬剤は,すべての種類の家兎コクシジウムに対し,一様に有効とはいえなかった.今回使用したSMおよびSDは,実験感染試験ではともに50~150mg/kg,1日1回投薬,3~7日間連用で有効であった.そこで自然感染例についての効果を確かめてみた.SM,SDともに75mg/kgをえらび, 3~7日間の連用を実施した.その結果,SDはSMよりもすぐれた効果を示し,SDは7日間投与でオーシストの激減がみられ,2週間後の0.P.G.値は全例陰性となり,浮遊法(蔗糖液)でも,最高40%の家兎が陰転した.3週後の検査で,ふたたびO.P.G.が陽転したものがあったが,これらのコクシジウムを種類別に検査すると,陽粘膜上皮細胞内寄生性の,病原性の弱い種類が大部分で,投薬前と後では,コクシジウムの寄生状態は異なっていた.特にSD投与群では,病原性の強いE.stiedai,やE.7nagnaの減少または消失が明瞭であった。SD,SDともに投薬群には死亡はなかったが,対照の2群では,それぞれ20%ずつのコクシジウム症死亡家兎がみられた.3日間投薬では,副作用はみられなかったが,7日間投薬では,SM投与群にのみ副作用とみられる軟便の排泄が4頭にみとめられた.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1968-04-25
著者
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